COLUMN
2020年6月15日
旭自動車株式会社(パレスオートセンター)- システム開発ソリューション
カテゴリー:導入事例
タグ:case-study
企業概要
- 旭自動車株式会社(パレスオートセンター)
- 事業:自動車販売・整備などのトータルサービス
- 代表取締役:鍋谷 達郎
- 所在地:新潟県新潟市中央区南笹口
- 設立:1961年12月
- 従業員:約10名
自動車購入をさらに便利にしていく
新潟市で自動車販売・整備などのトータルサービスを「パレスオートセンター」として手掛ける旭自動車株式会社。1961年の創業から、地域に密着してビジネスを展開してきた。
3年前、ショップのリニューアルと共に、在庫を持つ中古車販売をやめた。お客様と直接会話して、その要望を聞いて、条件に合った中古車をオークションで仕入れるスタイルに変更したのだ。
展示場に在庫を並べるスタイルでは、商材の幅も広がりにくく、在庫リスクもある。何より、お客様が本当に求める自動車を提供することが、地元のお客様と長くお付き合いしていく上で重要かつ不可欠だと判断してのことだった。
こうしたビジネススタイルの変更が功を奏して、売上も好調になった。次の課題は、お客様の自動車購入をさらに便利にしていくサービスの充実だった。代表取締役の鍋谷 達郎氏に、Hexabaseを活用した代車管理のシステム化についてインタビューした。
アナログ作業が機会損失に
自動車関連ビジネスでは、代車の提供は欠かせないサービスだ。車検や整備はもちろんのこと、中古車の購入を予定しているお客様がいて、納車の前に車検が切れれば、その代車の提供が必要になる。
「これまでは、15台ほどの代車の管理をホワイトボードでやっていました。毎月1日から31日までの日付を書いて、横軸にそれぞれの代車を割り当ててあります。
この方法は分かりやすいのですが、変更があったときには、消したり書いたりの繰り返しで手間がかかります。外出中は代車予定が分からないので、会社に電話をしないといけません。また、代車の予定を入れ替えることも多いので、玉突き式に代車の割り当てを調整することもありますが、それにも向いていません。
さらに、代車の条件を書き込むスペースがなく、いつの間にかお客様の希望の装備が付いていない代車に変わっていることもあります。過去に出した代車を確認できないので、忘れ物や落とし物などがあって、誰のものか特定できないこともありました。
その結果、お客様の満足度低下やビジネスの機会損失につながっていました」(鍋谷氏)
地元のシステム開発会社に断られる
鍋谷氏は、代車管理をいくつかの方法で試してみたという。
「エクセルやガントチャートツールも使ってみましたし、タスク管理のWebサービスも試してみました。しかし、データを消して書き込むというように、ちょっと手間のかかる操作が必要になってしまいます。
何か専用ツールがないかと探してみたが、手ごろなものが見つかりませんでした。同業他社に聞いても、やはりアナログな方法でやっているということでした。
それなら独自の管理ツールを開発して、良いものができれば、それを販売できるのではないかと考えました」(鍋谷氏)
鍋谷氏のこだわりポイントは「オートムーブ」という機能である。ドラッグアンドドロップで日付を指定したり、代車を移動したりすることで、パソコンのスキルが高くないスタッフでも、簡単に代車の登録や調整ができるのだ。
「地元のシステム開発会社に相談してみましたが、使いやすい操作性と機能は実現がむずかしいと言われてしまいました」(鍋谷氏)
デモ版でイメージを共有
「そこで、システム開発の相見積りサイトで試しに投げかけてみたところ、代車管理システムのこだわりポイントに、”やってみましょう!”と手を上げてくれたのが、Hexabase社でした」(鍋谷氏)
Hexabaseは、業務システムに必要なデータベースやワークフロー機能を備えている。今回は、ドラッグアンドドロップで日程指定、装備や車種別などの条件で絞り込み表示、オートムーブなどの機能を追加で開発した。
「Hexabaseを選んだ理由は、当社の問合せに対する反応が良かったことでした。早い段階で、デモ版を用意して頂いたので、どのようなツールになるか共有できましたし、自動車業界で使っている事例も見せてもらいました」(鍋谷氏)
オートムーブを含めて3ヶ月で開発
Hexabaseによる代車管理システムの開発は、独自に作り上げたカレンダービューも含めて3ヶ月で完了した。
「使い始めた直後は、スタッフにも抵抗感があるので、ホワイトボードの情報はすべて消してしまいましたが、慣れてきたら、すぐに使えるようになりました。
代車管理のシステム化のおかげで、すべての代車の状況をさらに詳しく的確に管理できるようになりました。ホワイトボードを書き直す時間は不要になり、普段の業務の時短にも成功しましたし、社外にいても、代車の状況を把握できるようになりました。
そのおかげで、お客様の満足度も向上していますし、機会損失も減っていると思います」(鍋谷氏)
“DAISUKEくん”として外販
「中古車の取引は、お客様と販売店の間の信頼関係が重要です。お客様にとって高価な買い物ですし、購入したあとで故障が出ればクレームになります。
お客様の条件を聞いてから仕入れるという、【車のお探し専門店】という仕組みのいいところは、お客様と信頼関係がより強くなれるところです。私たちは、地元の自動車サービスを提供しているので、購入いただいた後も整備や車検などで、長くお客様にお付き合い頂きたいと考えています。
だからこそ信頼関係が出来上がると、車に関するいろいろなことを頼まれます。それが永くお付き合いできる必須項目だと考えています。
その為にも今回は、代車管理をシステム化しましたが、こういったサービスを充実させて、お客様との信頼関係を一層強固なものにしていきます。
現在では、この代車管理システムを”DAISUKEくん”という名前で外販しています。同業他社もアナログな方法でやっているところが多いので、役に立つ便利なツールとして使ってもらって、業界の信頼性の向上と、新たなビジネス機会の創出につなげていけばと思います」(鍋谷氏)